BE SEIKO

SF2024現場リポート(ガネー社)

2024-11-01 20:01
#現場リポート

どうも。團野です。
今回は現場レポートということで美術部ガネー社にインタビューしてみました。

印刷所から送られてきた、製本されたものの様子を確認しているようです。

私は、ガネー社の立案者、代表者、そして編集者である谷澤周良君に話を聞いてみました。

同人誌作成の動機とは?

そうですね…この同人誌企画は結構紆余曲折があって長くなっちゃうんですけど、まず、五月だったかな?違う。桜が咲いてたから四月だ。に僕が企画したレ・ミゼラブルのCM企画がポシャってしまいまして…
レミゼにCM作成の案なんてあったんですか?
はい。僕は去年、今年とレミゼに「脚本・演出」という立場で関わらせていただいてるんですけど、ちょうど春で「そろそろ動き始めるかー」というタイミングでみんなに発破をかけようと思って提案したんですよ
ただ、失敗してしまった...と?
そうなんですよ。絵コンテ書いて友人にキャストを集めてもらうところまでしたんですけど、肝心の撮影機材の調達を忘れてしまいまして。それでスケジュール間に合わず…
なるほど...。そのマイナスな気持ちのところからどのように、同人誌企画を始めよう!となったのですか?
四月五月はほんとに憂鬱でしたね…成績も悪かったし。(笑)
でもそんな時一本の映画を観まして。「トラペジウム」っていうアニメ映画なんですけど。その、高校生が「アイドルになる」という夢のために大きな挫折を経験しながらもがむしゃらに努力するっていう映画で。こういう言い方をするとありがちな感じに聞こえるんですけど、でもすごく心を打たれてしまって…「自分も夢のために何かしたい」と…今思うと因果が逆転してる感じもあるんですけど
映画が、心の支えになったんですね!
それで自分の「夢」ってなんだろう?って考えた時にそれってやっぱり「本」に関わることだな。中学生の時孤立していた自分を救ってくれた、さっきも自分を助けてくれた(トラペジウムは小説が原作なんです)「本」に関わることで恩返しをしたいな。と思いまして。
それで「本を出してみょう」と。もちろんそれで「俺だってやればできるんだ」ということを示したい。CM失敗の名誉を挽回したいという思いもなかったといえば嘘になりますけど。
昨年レミゼの裏側
名誉挽回のためだとしても私はいいと思いますよ!そういった、自分の好きを突き詰めれるのはいいじゃないですか!
他の理由はない感じですか?
あー…ちょっと恥ずかしんですけど、「将来の夢の為」ですかね。
僕は作家か編集者になりたいなーと思ってて、それで面接の時とかに「高校の頃から同人誌を出版してました」とか言えたら強いかなーと。これだと大学でも同人誌を出さなきゃいけないんですけど(笑)
なるほど!恥ずかしくなんてないと思いますよ!

編集において苦労したことは?

そうですね。一番の苦労は…アンタの原稿が遅れたことだヨォ!!!!!!!!!!!!!徹夜して編集したんだからな!!!!
スミマセン...
冗談はさておき…めっちゃ情緒が不安定な人に思われない?まぁいいや…やっぱり原稿がなかなか出ないことですね。みなさんこだわりにこだわって締め切り過ぎても半分以上が出ていない感じでした。締め切りを早めに設定しておいて良かったです…
後は編集作業している時に知らない単語がいっぱい出てきてそのために単語の意味を調べたりとか…
締切を早めにいうのは、星光らしいエピソードですね(笑)
知らない単語とは具体的に...?
たとえば「断ち切り」ですね。
本というのは製本時に端っこ3センチくらいが切り取られてしまうので、印刷所に原稿を提出する際は、その切られてしまうところを含めたサイズで提出しなければならない範囲を「断ち切り」というのですが、最初はその意味が全然わからなくて…ずっと「なんだ断ち切りって?落語の演目にこんなのあったよなぁ?」みたいなことを考えていました。
印刷業界は、専門用語とか多そうですもんね...

入稿し終えた今の感想は?

正直に言ってまだ感慨みたいなのはないですね。まだ本になったものが来ていないので、実物を見たら変わるのかもしれませんけど。今はまだ「無事に届いてくれ!」「売れてくれ!」という不安と願いの方が強いです。ただ入稿を終えた瞬間は「やっと終わった!」という清涼感の様なものがあったのを覚えています
少し下世話になりますがどれほどの費用がかかったのですか?
ぶっちゃけると六万円です。基本印刷料金+カバー代という感じですね。僕が小学校の頃からコツコツ__6年くらいかな?__貯めてきたお小遣いが一瞬でATMに吸い込まれた時は世の無常を感じましたねぇ。
70部発注して一冊500円、カバー50円で売る予定なので、これだと全部売れても2万円強の赤字は出てしまうんですけど。
えっえぇ!?6万...?赤字分どうするんですか!?
どうにもならないですねぇ(笑)。
とりあえず販売場所の横に募金箱を設置して、来て下さる皆様方の善意に甘えようかな。「募金して(泣)」と。まぁそれで二万円も賄えるとは思えないので、その分は泣く泣く自腹を切るしかないと…
募金…、集まるといいですね(涙)
昨年レミゼの裏側

紆余曲折ありとはいえ、ズバリ!本書の魅力は!?

やはりその分量ですね!見てくださいこのボデー。文庫サイズですが176Pあります。収録作品は全部で八本!勿論本というものは量より質であることは承知していますが、キチンと製本された本が176Pで500円と考えると相当コスパがいいのではないでしょうか?実際赤字上等で売ってるわけですし…
後はなんと言っても同人誌という媒体だからこそできる「自由さ」ですね。部誌とは違ってなんのテーマもないので小説、エッセイ、小論文、絵、なんでもござれで著者の方々の心の底から「言いたい。見せたい」ことをぎゅっと詰め込んだ一冊になりました。だから間違いなく内容は「濃い」です。星光生の「濃い」ところを味わっていただけたらと。
『星光生の良さ』、SFとしてもとてもマッチしてますし、とてもいいですね!
特に谷澤さんイチオシの文章などあるのですか?
そうですね。僕が一番面白かったのは川寄氏の「バスのすすめ」ですね。
バスに、オタクならではの視点で軽妙に切り込んでいき、読んだ後にはもう今までのように漫然とバスを見ることができなくなったのは新鮮な体験でした。
学習の本質を体験したような気持ちになってとても興味深かったです。

最後に一言

同人誌は高校棟2階放送室前にて一部500円で販売しております!
ギリギリなんとか作り上げましたのでぜひいらしてくださいね!
僕自身も小説を載っけておりますので、ぜひそちらの方もよろしくお願いします!

とても、貴重な話をこんなボリューミーに聞けて嬉しい限りです!
どのような作品ができているのか手に取るのがとても楽しみです!