Les Misérablesアフタートーク「前編」

どうも。武部です。
今回はSF2024アフタートーク第2弾として以前お話を聞いたお三方に加えピアノを担当した杉田くんと脚本を担当した谷澤くんに話を聞きました。
反響もたくさんあったLes Misérablesの裏ではどんなことが起きていたのでしょうか？ 早速お楽しみください。。

SF2024お疲れ様でした！どうでした？

{{本}{お疲れ様でした！
まずは、成功して良かった！その一言です！
色々直前のトラブルやごたつきがあったとは言え、当日大きな事件もなく、それぞれがベストを尽くして本番を迎えられたことがなにより嬉しいです！}} {{山}{ほんとに恙無く終えることができてホッとしたし、最高に楽しい時間を過ごせたことに感謝ですね}} {{團}{総決算という感じでしたね。
僕たち自身は楽しんで演じ、歌い、そして観客の皆様も感動してくださり、これ以上ないと思います。}} {{谷}{前日どころか当日の昼までずっと綱渡り状態だったので、大きなミスなくギリギリなんとか上演できたのは本当に感無量ですね}} {{杉}{とにかく楽しくてあっという間でした！ 何かとトラブルはありましたが、それぞれの熱い思いが補い合って、見る人の心を揺さぶる最高のパフォーマンスになったと思います！}}

どんなトラブルがあったんですか？

{{團}{ちょっと、他のは載せれないの多いので、自分のだけ出させていただきます...。
本番、私が自分の曲を間違えて...。杉田になんとかピアノで助けてもらいました。}} {{武}{そんなことあったんですか⁉︎}} {{杉}{間違えてというか、本来歌うはずじゃないところに入ってしまったって感じです}} {{山}{あんときはほんまに冷や汗やったし、杉田に感謝よね}} {{杉}{「♪雨の歩道は…」の部分は飛ばして次に行くところを歌い始めたので、「そこやるの！？」みたいな感じでしたね}} {{團}{ほんと、ピアノが間違えたみたいな感じになって申し訳ないです...
歌い出しも緊張でおおきく音程外してしまったし...}} {{谷}{あれ、本番中めちゃくちゃ驚きましたね。
台本にないところを團野が歌っているんですけど、ピアノがズレてる様子がないので「あれっ？こっちが間違ってる！？！」と照明やりながら}} {{本}{あとこれは私が本番中やらかした話なんですけど、コゼットを引き取るための金を渡すシーンで、金貨の入った小袋がポケットに引っかかって取れなくなってしまったんですよね...
相手役のテナルディエが、無理矢理ぶんどろうとする演技をアドリブで入れてくれたのでなんとか助かりました。}} {{武}{アドリブってすごいですね…}} {{谷}{あれは本当に名アドリブでしたよね。
「ティナルディエならこう言うことするなー」って言う納得感もあり。}} {{山}{鯉江のアドリブはカーテンコールの時も光ってたしね}} {{團}{ほんと、ティナルディエ役の鯉江、機転きくんですよ！
僕の中のMVPは彼です}} {{武}{やっぱりアドリブがスッと出てくるというのはかなり練習を重ねたんじゃないですか？}} {{本}{練習、と言うより、彼の演技は憑依に近いかもしれません
去年も同じ役を演じていたこともあり、役とその人自身がマッチしていたというか。}} {{團}{役への入り込みがすごいよね！}} {{山}{二年間という積み重ねにある意味で救われた場面だったね}} {{杉}{あのアドリブはやっぱりさすがよね
奪う荒さもティナルディエっぽい。}} {{谷}{僕は夫の本居がバルジャンの帽子をこっそりくすねるアドリブも大好きなんですよ。
ああいう「あいつらならこうするなー」っていう理解度がすごく高くて、自分の役にすごく真摯に向き合っていたんじゃないでしょうか。
はっきり言ってあの夫婦、最高でしたね。}} {{團}{鯉江の他にも久保平や安田とか、何人か入り込みがすごい人がいてありがたいし、上手で、少し羨ましいです...。}} {{谷}{わかるー}} {{武}{久保平とか安田ってどんな役でしたっけ？}} {{杉}{久保平は革命軍のリーダー、安田はそのメンバーですね}} {{山}{安田は特に、恋に落ちたマリウスを揶揄うみたいな役柄でしたね}} {{團}{安田のあの演技のちょっとうざい感じが！うまいんですよ！}} {{谷}{そうそう！僕の書いたイメージ通りの演技で。
役者さんが別の解釈を見せてくれるのも舞台の醍醐味なんですけど、イメージ通りの演技をしてくれると「理解ってくれてる…」となって嬉しいですよね}} {{武}{キャストそれぞれの役への思い入れがすごいんですね…}}

個人的名シーンはありますか？

{{團}{殺陣を交えた、ジャンバルジャンとジャベールの『対決』のシーンですね。
歌いながら戦うあの鬼気迫る感じが僕の中でお気に入りです。}} {{杉}{あそこカッコいいですよね〜
特に演じた二人は苦労も多かったと思います}} {{山}{実は、あのシーンでサーベルの鞘が取れちゃってたりもしたんですよね
結構焦ってました}} {{本}{本番中必死すぎて、目の前で鞘が取れたのは全く気づきませんでした...
練習中は私の運動神経が悪すぎてなかなか殺陣が上手くいかず苦労しました。}} {{團}{確かにそうでしたね（笑）
もう、なんでその動きになるのぉ？ってなりながら練習眺めてました。}} {{杉}{小股になるところは見てて面白いけど、バルジャンとしてはどうなの？って感じですね
一方でジャベールは姿勢も良くてさすが剣道部って感じがしました}} {{山}{あとは本番、興が乗って剣をクルクル回してみたのを見返すと、自分で言っちゃあれですけどカッコよくてビックリしましたねw}} {{谷}{戦闘の玄人であるジャベールと素人のバルジャンといういい対比になっててすごく良かったと思います}} {{杉}{まあけど、ジャベールに関しては剣道の足捌きが出てたね}} {{谷}{俺はあれ結構好きなんだよな。「剣を扱うもの」感があって。チャンバラじゃなくて、剣術}} {{谷}{僕はマリウスとコゼットが恋に落ちる「プリュメ街」ですね。
あそこは最後の最後まで書けなくて、「難しいが…頼んだ！」と歌にしてキャストにぶん投げたところなので、実際の舞台を見て「ちゃんとしてる」と。
本当に感謝と「苦労かけたなぁすまんかった」という思いで胸がいっぱいになりました。}} {{本}{プリュメ街、マリウスは特にどの練習よりも上手く、感情を込めて歌えていたんじゃないかな。
本番中舞台袖から感動してました。}} {{杉}{プリュメ街は僕も思い入れが強いです
台本作りの段階から半ば強引に「入れて入れて！」って頼んでいたので…
無茶させたのかもっていう申し訳なさもありますが、本番の歌を聴いていれてよかったという思いの方が断然強いです}} {{山}{結構ギリギリで(半月前とか？)曲を入れたんで、ほんと上手くいってよかった}} {{團}{難しかったです...（エポニーヌ役のD)}} {{谷}{申し訳ない…}} {{杉}{「彼が求めたら捧げてしまう」のところは特にタイミング難しいですよね}} {{本}{私は、ちょっとマイナーですが「乞食たち」が好きです！
二幕最初の、民衆の苦しさを訴えながら革命を促すシーンなので地味っちゃ地味なんですけど、大人数のコーラスや、民衆数名や革命軍の中心メンバーによるソロパートが堂々としていて、大迫力でした
全体練習の時にかなり苦労したので、「やって良かったなぁ」と思えます}} {{山}{個人的には、伴奏を一度切ってアンジョルラス(革命軍のリーダー)が歌うところが、久保平の良さが全面に出てて好き}} {{谷}{わかるー。彼のポップスっぽくてかっこいい歌声がすごく映えるんですよね}} {{山}{あの荒々しい歌い方が、刹那的なアンジョルラスの生き方にすごいマッチしてるというか}} {{杉}{去年に比べてマリウス役の大野の歌唱もかなり良くなったよね
アンジョルラスと交互に歌っても劣らないくらい}} {{本}{さっきのプリュメ街は恋愛だけど、乞食たちのソロ歌唱は堂々としていてまた違う良さが有りましたねぇ、すごく良かった}} {{杉}{アンジョルラスと違ってマリウスは革命一筋じゃなくて恋愛との迷いがあって。
そこら辺も見事に表現されてたよね}} {{武}{杉田さん的名シーンはありました？}} {{杉}{死にかけのファンティーヌの演技は名シーンだと思います
ファンティーヌが病気で死ぬところなんですが、原作のファンティーヌの惨めさは都合上かなりカットされてしまったんです。
それでも死にかけても娘を思うまっすぐな演技は素晴らしかったです}} {{杉}{演じた西脇の高音も美しいですし、どうすべきか思い悩むバルジャンの歌、Who am Iも名曲だと思います}} {{本}{確かに、レミゼラブルでも1.2番目に有名な「夢破れて」をカットしたわけですからね...
その中でもファンテーヌの惨めさ、娘を思う真っ直ぐさを表現できた彼はよくやってくれました}} {{杉}{あのシーン周辺は結構カットが多いんです
「夢破れて」もそうなんですけど、「ラブリー・レイディ」や「1日の終わり」もカットされました…}} {{山}{女性がいないっていうのはやっぱりハードルではあったよね}} {{谷}{警官に押さえつけられるシーンの時、偶然（あれ偶然だったよな？）彼女のポーズが「神に祈りを捧げる人」になったのはめちゃくちゃかっこよかったですよね}} {{團}{ですね！！！}}

後半に続く…